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クオリディアコード評

このエントリは 虚無 Advent Calendar 2016 - Adventar の10日目です。まだ10日なのでセフセフ

けいぞうです。作画に恵まれなかったアニメ、クオリディアコードについて評したいと思います。

クオリディアコードとは

qualidea.jp

ラノベ作家 さがら総橘公司渡航の三人がSpeakeasyの名義でシェアワールドとして立ち上げた「プロジェクト・クオリディア」
そのアニメ化作品になります。

東京、千葉、神奈川が主な舞台の学園異能アクションアニメです。
突如襲来した生物、「アンノウン」が人類を崩壊間際に追い込んだ世界。襲撃から逃れるため、長期のコールドスリープに入れられた子どもたちは 目覚めると特殊な能力「世界」に目覚めていた。
大人たちの奮闘によりいくばくかの陸地は取り戻され、対アンノウンの前線基地である「東京」「千葉」「神奈川」において子どもたちはその特殊な能力を用いてアンノウンと戦う物語です。

それぞれの都市において子どもたちを主体としたコミュニティが築かれており、都市のトップも学生であれば行政も学生が行っている雰囲気があります。 戦闘の拠点なので戦える要員に裁量が与えられている風な描写が小説にありました。

悲しみを感じる

実はこの作品、面白くないわけではありません。 さがら総橘公司渡航がそれぞれのデビューしたレーベルで書いたライトノベルは、それなりに面白かったです。さがら総が東京、橘公司が神奈川、渡航が千葉の 物語を担当していました。それぞれの作風がちゃんと生かされていていい感じです。

見てて気になるのは、それぞれの作風と作品のストーリーの不協和音です・ ライトノベルのキャラクターにありがちなキャラクター造形みたいなものはやっぱりあるわけですが、そこからちょっとしたアクセントを付けてお話を彩る 方が面白いライトノベルを書くのだと思っています。作家さんらしい独特のキャラクター造形って素敵。

アニメ クオリディアコードの虚無なところはそのキャラクター造形のめっちゃ喧嘩してるとこです。 一人が書いたキャラクター同士の会話は勢いがあって話が進むのですが、そうでない場合上手く会話出来ていません。同じ会話の言い回し違いです。コミュ障かよ。
それが話数を追う毎に不安になっていき最終的に匠の業を用いられた止めカットによる編集で進んでいくさまは、大変に"をかし"と呼べる風情がありました。

大事なのは作画崩壊は虚無性をうまないところです。作画崩壊は作品の良さを損ないますが、虚しさを生み出しません。虚しさはその作品の星に生まれつくもので 様々な事情がそれを僕達にもたらします。今回の場合はキャラクター造形と会話でテンポよく進めていくライトノベル作家同士のテンポの噛み合わせが 絶妙に出来ていなかったことが虚無さをもたらしてくれました。

ライトノベル版のクオリディアコードは結構面白いので読むと良いよ
どうでもいい 世界なんて

千葉の千種兄妹は、千葉の兄妹らしくシスコンブラコンこじらせた互いへの強い信頼関係が見ててアツいと思うのでオススメします。ちょうオススメ。