僕の最も応援しているシリーズ構成/脚本/原作家の話
虚無 Advent Calendar 2016 - Adventar の24日目です。
けいぞうです。 今日はTVアニメの脚本、シリーズ構成を主に担当しご活躍されている吉野弘幸に関するエントリです。
代表作
「コードギアス 反逆のルルーシュ」「マクロスF」「ビビッドレッド・オペレーション」(副)シリーズ構成、 「凪のあすから」「艦これ」脚本 などを担当する方です。 SHIROBAKOの舞茸しめじ氏のヴィジュアルの方のモデルでもあります。(中身は奈須きのこ氏らしいです」
特徴
おおよそにして、異能アクションものの脚本を担当されることが多く 脚本が大味で、その場の勢いで展開が進むタイプのお話を書く方です。 最近だと艦これ 3話"如月 轟沈"回などで批判の声をよく見ました。
大学の先輩である大河内一楼氏と大変仲がよろしいそうで、大河内一楼氏(∀ガンダム、ヴァルヴレイヴなどで有名)とよくタッグを組み コードギアス 反逆のルルーシュで共に仕事をし、「コードギアスは大河内主導だったんだから、次は吉野主導でアニメ作るぞ」 となってギルティクラウンが作られるくらいには仲が良いと聞いています。あくまで噂です。
愛すべき点
彼の書く脚本の素晴らしくところは目に見たB級感があること。すべての前フリはあからさまに行われ、 奇をてらったところはまったくありません。 街に十字路があればパンを加えた女の子が走って来ます。 戦争が終わったら結婚すると言う兵士は必ず死に、 胸にお守りのコインがあれば、銃弾の方から突き刺さりに行くでしょう。
少しばかりでもその気配を匂わせたフラグはかならず践んでいく。 そういった作品をつくるのが吉野弘幸氏です。
争論のタネ
彼は情緒を描くのを好みません。男女の細やかな揺れ動き、 憧れの先輩への憧憬、故郷に残した妻子。 そういった要素はすべてフラグへの踏み石に過ぎず、 人間関係は大した意味をもちません。
気がつけば、学校の同級生の優しいあの子は路傍の石のごとく死んでいて、 先輩は心無い言葉を放つでしょう。故郷は気がつけば火の海に沈んでいるかもしれません。 主人公はそれに悔いるばかりで現状を見ようとしないこともままあります。 簡単にダークサイドに落ちることも珍しくありません。
また、共感し難いキャラクターが作中で絶大な支持を集めるなど、 共感し難い展開になることも多い。
希望
そういった彼が最高に輝く作品の傾向はいくつかあります。
- 異能アニメであること
- 主人公はないしストーリーのメインに据えられているのが女性であること
- 百合ないし類する情緒を描いた作品であること
- ビターエンドであること
- 少女をとりまく環境を描く作品であること
です。 悲しいかな。彼は変態なのです。聖痕のクェイサーの原作を担当しあのクオリティを維持し続けたことからも窺い知れるでしょう。 よく訓練された変態であるがゆえにラノベ的なラッキースケベへの道すじを見事に描き上げ、 変態であるがゆえに超常の能力をかっこよくケレン味に満ちて描くことが巧みであります。 そこに彼の好物である少女同士のそういった描写が入れば彼の筆は最高に輝き、粗雑であっても勢いに満ちた素晴らしい作品を与えてくれます。
2016秋アニメ、彼がシリーズ構成を担当した作品を一つ見れば分かるでしょう。 そのタイトルは
終末のイゼッタ、少女たちが世界に挑む。 ハイティーンの少女らの麗しき友情を描いた作品。 これこそが彼の真骨頂であり、素晴らしくハマった作品でした。 これはよく出来た艦これ 3話 "如月 轟沈"回です。 しかし、これが男女の機微になると情緒を描くことを忘れケレン味のある絵に話をまとめることにしか意識が行き届きません。 故に、綺麗なゴミともいわれたギルティクラウンが生まれました。
まとめ
僕は彼の書くケレン味に満ちた作品が大好きです。 ギルティクラウン、終末のイゼッタ、ヘヴィーオブジェクト、ビビッドレッド・オペレーション、劇場版とある魔術の禁書目録 エンデュミオンの奇跡。 どれもこれも話は粗雑で、しかし心の中の14歳を駆り立てる素晴らしさがあります。 今後も原作をざっくり切り抜いてケレン味のあるところだけをフィーチャーし、情緒を無視してアニメファンを激怒させ続けるであろう吉野弘幸氏。 2chもニコニコ大百科も常に火種が燻ぶっている吉野弘幸氏。 カタルシス10割のそのB級な作品を作り続けるそんな彼を応援してみませんか。