オタクのメモ

文章の練習

退学した日

退学した日に書いたが公開しなかったエントリを書き残す。 あの時の感情を残すため文面は修正していない。 面白コンテンツの一欠片として広大なインターネットの海に沈めることでこの文章の供養とする。

大学をやめた日

2017/03/31日付けでとある大学の情報系の学科を中退した。晴れて最終学歴 高卒である。 主に友人、知人への近況報告を兼ねたエントリである。なにかの間違いで全く興味のないあなたの目に 止まってしまったらすまない。 http://dic.nicovideo.jp/a/%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%9C%E3%83%B3%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9 後述の物事は隠す方が人付き合いとして不義理だと思うし、なんかちょっといいそびれちゃって隠したことになる 方が問題だと思うのでインターネットに放流する。

大学の先輩が辞めたときのGPA0.0だったんだぜみたいなこと言って笑っていた過去の自分を諌めたい気持ちだ。 おまえもまたGPA0.0なんだ。 大学二年生を三回やった。 二年留年したうちの一年はソフトウェアを読んで過ごし、もう一年は書いて過ごした。 twitterにたくさんいる同じ穴の狢みたいな人々とアニメとクソアニメとネットコンテンツで遊び、 githubの草を一人粛々と生やしていた。

 直接的な理由は大学規則による成績不振のための除籍処分の勧告をうけたためである。 ちなみに現行の大学事務における除籍処分は在学記録自体は残るため、 他大学への編入学転入学などの手続きは可能らしいですよ。 また、退学するのは僕なのに届け出は退学願だった。教授会の承認?かなんかが必要というのは 摩訶不思議な話だ。  退学チキンレースを競っていた友人とは「一緒に退学だね!?」などという心温まる会話をし、 同期の桜(今年度卒業)とは「一緒に学び舎を去るんだね!?」などという心温まる会話をしている。

大学を辞めた原因の話をしよう。

根本的な原因は書類処理が著しくできないことだった。 言いかえれば、レポートが書けないのだ。

はじめは、他の学生とかけ離れて能力に差があったわけではないと思う。 彼らもまた、先生方からの指導をうけ必要な能力を養ったに過ぎない。 僕と彼らの違いは、1つめを作れたかにある。 僕は不完全な初稿を提出することが出来なかった。 学生実験に問われている要旨がわからなかった。 必要な図式、公式、その導出過程。実験指導用の小冊子にほとんどのことが まとめられているにもかかわらず書いて提出することが何故か出来なかった。

それと同様のことを多くの講義で繰り返していたら単位を落として留年した。

また、大学コミュニティになんとなく馴染めなかった気がする。 教え合いや過去問の融通での能力の底上げはまっとうな振る舞いだから能力に自信のないやつはやっとけよって感じだ。 そう思える理由はいくつかあって、指導教員と喋ったのが顔合わせと退学の印鑑もらうときの二回だけであったり、 レポートや突然の休校の情報が流れてくる学科LINEの存在を知らなかったり(留年してからしったが後の祭りである) 一人で図書館にこもっていることが多かったりなどだ。

 個人的な嗜好として、学業の範囲で絶対的な上位者である教員とやりとりするのに嫌悪感があったことも理由だ。 先生方のことは全く嫌いではないし、その業績について心より尊敬している。ただ、なーんかいやーな感じがしたため、 教員とのやりとりを最小限にしたくなり、あまりあれこれ連絡を取らなかった。

これは悪い点ではないが、DNSの面白さに目覚め、RFCを読みミドルウェアの実装に興味が湧いた。 ネットワークを管理する団体の手伝いをしていたため、Unixの基礎(on FreeBSD)はそこで教えてもらった。 はじめはサーバ管理、次にconfを効率良く書くためのvim script、 vim pluginを作りたくてソフトウェアの実装のことを調べ、プログラミング言語の手法について調べ、 なぜかhaskellにはまり型システムにはまりコンパイラにはまった。TaPLとATTaPL面白い。 結果、プロトコルパーサやコンパイラの素朴な実装、ミドルウェアの拡張でずっと遊んでいた。 特にDNSとHTTP(S)はユースケースと歴史的経緯が絡み合って魔境と化していて、 例えるならネットゲームのエンドコンテンツのような喜びを感じる。TLS1.2の振る舞いも一々挙動がクリティカルで面白い。

大学において救いの手はあった。作った適当なライブラリを授業で提出して評価に困らせた(その単位は別の理由で落とした)教員が気に入ってくれて、食堂でご飯食べてると「最近どう?」と声をかけてくれていた。再履修の講義(まだ単位を取る元気があった)ときに質問に行った教員が「アカデミックむいてなさげだし大学やめて就職したら?」みたいな温度感で雑談に乗ってくれたり先生方は優しかった。

制度に問題がなく、人員に問題がなかった場合のこの成果は完全に自らの不徳のいたすところである。 学を成せなかったことに後悔の念が尽きることはないが、 幸いなことに*nix好きの商売っ気がないギークでも飯を食う術はそれなりにあるようだし、 今年もRFC1034の整然としない記述を読み https://github.com/quicwg/base-drafts のissueを精査しながら、アニメと映画に埋もれて楽しく生きていたいと思う。